1.耳の不自由な人には、「ろう者」だけでなく「中途失聴者」・「難聴者」とよばれる人たちがいます。*中途失聴者とは…高い熱のでる病気や、薬の副作用、交通事故、ストレスなどのために、それまで聞こえていたのに、突然聞こえなくなったり、少しずつ聞こえなくなってしまった人のことです。話すことはできます。*難聴者とは……年をとって聞きづらくなった人や、中耳炎などの耳の病気などいろいろな原因で聞きとりにくくなってしまった人のことです。話すことはできますが、聞こえの程度は、人によってさまざまです。 2.中途失聴者や、難聴者には、こんな苦労があります。●聞こえにくくなった人は、補聴器を使えば、ふつうに聞こえるようになると思われていますが、そうではありません。補聴器の音を大きくしても、雑音ばかり大きくなって、言葉はなかなか聞きとれない人が多いのです。●<耳鳴り>に悩まされている人が大勢います。聞こえなくなってしまっても、この<耳鳴り>だけは頭の中で鳴っているのです。 ●外から見ただけでは障害がわかりません。ふつうに話のできる人が多いので、耳が不自由で困っていることがなかなかわかってもらえません。 ●人間が人間らしく生きていくために一番大切なのはコミュニケーションです。中途失聴者や、難聴者は、相手の言っていることが正確に聞けないのでコミュニケーションがうまくできないため、学校、職場、地域などの集団生活から、とりのこされてしまうことが多いのです。 耳マーク このマークは、耳に情報が集中してくることをデザインしたもので、耳の不自由な人のシンボルマークです。 このマークのシールをはったり、バッヂを付けた人達に出会ったら、手での合図や筆談、ゆっくりした話し方で、手助けしましょう。 耳の不自由な人が聞きやすくするために工夫された福祉機器です。 ●磁気誘導ループ ループの中へ入って補聴器のスイッチをT(電話用)かMT(電話と会話両用)に切りかえます。 3.「要約筆記」とは…中途失聴者や難聴者とよばれる人たちは、耳が不自由になるまでは、ふつうの生活をしてきた人たちばかりです。そのため、手話は、ほとんどわかりません。そういう人たちには「書いて伝える」というコミュニケーションが必要になってきます。「要約筆記」とは、中途失聴者や難聴者のために、聞こえる人が話の内容などを《聞きながらまとめて書いて伝える》ことです。4.「要約筆記」には次のような方法があります。*ノートテイク…紙に書いて伝える方法です。いつでも、どこでも、誰にでも手軽にできます。学校の授業参観や懇談会、病院へ行ったときなど少人数のときに利用できます。 *OHP(オーバーヘッドプロジェクター)を使用する要約筆記…… 話の内容などを透明なシートに書いて、それをOHPを使ってスクリーンに映し出して伝える方法です。一度に大勢の人へ伝えることができるので、人がたくさん集まる会合、講演会などで使われます。 *このほか、パソコン・OHC(オーバーヘッドカメラ)・ホワイトボードなどを使用する要約筆記もあります。 速く書くために、よく使う字は、略号・略語を使います。
5.聴覚障害者の生活を豊かにするために、次のようなものがあります。*日本映画やアニメーションへの字幕つけ…耳の不自由な人たちは、セリフや音楽が聞きとれないため日本映画やアニメーションを見ても、内容がわかりません。そういう人たちのために、セリフなどを透明なシートに書き出して、映画のスクリーンの横へOHPを使って字幕を映し出したり、あらかじめ、画面の中へ字幕を入れこんだりします。こうすれば、耳の不自由な人でも映画を楽しむことができるのです。 *テレビ番組やビデオへの字幕入れ…… 機械を使って、セリフなどを文字で表し、画面の中に入れこみます。 |